キッチンをはじめとする住宅設備機器の製造・販売で知られるクリナップ株式会社様。
「ITコストの最適化と構造改革」を掲げ、長年稼働していたホストシステムの技術者不足・改善対応・保守/運用コストの課題に直面していました。
抜本的な解決策として、ホスト撤廃プロジェクトを立ち上げ、複数システムの統合に挑みました。
ちょうどその頃、業界団体のセミナーで業種特化型パッケージ「Expert-Ns®」を知ります。
詳細説明や適用度調査を経て、「自社の業務にフィットする」と確信。
販売基幹・生産基幹の両方を含む10年スパンの改革計画を策定し、上申・承認を経て採用が決定しました。
決め手となったのは、"業界の言葉が通じる安心感"と"具体的な提案力"。
中橋システムの担当者が、運用面・機能面の両方から現場に寄り添った回答を行い、信頼を得ました。
さらに、「自らの経営改革から生まれたExpert-Ns®」という背景に、企業としての熱意を感じたと言います。
プロジェクトリーダーは、現行業務と兼務での挑戦。
毎日におよぶ多岐に渡る関係部門との打合せと、既存システムの調査に奔走しながら、「パッケージに合わせる」方針のもと、優先順位を付けたカスタマイズで本質的な改革を実現しました。
とりわけ、「営業所仕入品（営業所が直接注文する仕入商品）の登録」と「1店1コード体系の見直し（取引先コード体系の見直し および 名寄せ）」には強いこだわりを持って取り組みました。
移行・検証・本番稼働はまさに体力勝負。
移行作業では、土日を返上し、15以上のシステムからデータを再検証しながら、課題を一つずつクリア。
プロジェク計画全体を見直してのスケジュール変更も行い、業務部門も含めた全員で機能とデータの検証作業を実施し、進捗管理の毎日。
稼働直後は「FAXが山積み」「電話が鳴り止まない」ほど混乱もありましたが、
現場の知恵とチームの団結、トップの支援を含む全社体制で乗り切りました。
「苦しい中でも、よく話し合い、支え合えた。あの時の結束が今の基盤につながっている。」
――そう振り返るのは、当時のプロジェクト関係者のみなさんです。
背景には、創業者理念としてクリナップ様が掲げる「五心」の文化が息づいていました。
2020年2月の稼働直後、世の中はコロナ禍へ。
しかし、新販売基幹システムのおかげで在宅勤務にもスムーズに対応できました。
営業部門では、ペーパーレスとデジタル化が進み、どこの部門の受注でも代行ができるので、内勤者の事務効率が向上しました。
さらに「1店1コード体系（取引先コード体系の見直し および 名寄せ）」 の実現による、商流別の実績分析の省力化に繋がっています。
ショールームスタッフからも「誰でも状況がみえるようになって良かった！」と好評です。
「今後は、市場の変化を素早くキャッチアップし、メーカー・販売店・工務店が連携する "つながる仕組み" の実現を目指しています。」
――クリナップ様はこう語り、さらに続けます。
「当社を取り巻く取引先全体に有用な仕組み、システムを通じたシナジー効果が出るような提案を中橋システムに期待している。」
「基幹システムを"基幹"で終わらせず、周辺ツールや新技術を取り入れ、共に成長できるパートナーであり続けてほしい。」
「安定稼働する基幹システムを、より理想に近づけるべく、今後も運用面でも一緒になってやってきたい。」
それらの言葉に込められた期待に応え、私たち中橋システムもまた、お客様とともに挑戦を続けてまいります。
このプロジェクトは、クリナップ様が挑戦と努力を重ねて実現された"改革の軌跡"です。
私たちは、その歩みに寄り添いながら、多くを学ばせていただきました。
システムの導入を超えて、共に考え、共に成長する――。
その経験こそが、私たち中橋システムの糧となり、次の共創へとつながっています。
これからも、お客様とともに進化し続けます。
